魚の頭、内臓、ウロコと取り除いたじゃこ天の材料を、砕肉(ミンチ)にする機械のこと。じゃこ天屋によって目の大きさにこだわりがあり、出てくるミンチの細かさが異なる。
宇和島屋の場合は、大きめの荒さにしてある。一般的な物よりも大きな物を特注で作って使用している。
ミンチにした魚肉を水にさらし、水溶性タンパク質を溶かし出す行程のこと。これをすることにより、じゃこ天製造に必要な塩溶性タンパク質のみを残す。おもに身天ぷら・蒲鉾の製造行程で行われる。蒲鉾特有のプリプリした食感をより強く出すために行う。
宇和島屋でも、身天ぷらは製造しているが、水晒しは行っていない。理由は、水に晒すと魚の旨味が逃げる為。化学調味料で味を付ける場合はそれでも問題ないが、それを使わない宇和島屋では魚の旨味が逃げると致命的。そのため宇和島屋では、魚種を絞り込み、鮮度の良い鮮魚のみを使うことで、プリプリの食感を出している。
グルコースがタンパク質と結合し褐色反応をおこすこと。パンやケーキを焼いたときにもこの反応が起こる。じゃこ天では、食欲をそそるきつね色になる。
会社によってはグルコースなどを添加し、反応を強めている所もあるが、宇和島屋ではそのようなものを入れてないために、褐色色はやや弱めになっています。
鮮魚の頭と内臓を取り除く作業のこと、頭落としとも言われる。骨と皮も砕いて使うじゃこ天において、なぜ頭だけを落とすのかというと。主原料のほたるじゃこの頭頂部には耳石(じせき)という白く硬い小さな石が2つあり、ミートチョッパーのミンチ目を通り抜ける可能性があるため。食べたときにガリッっとなるほど硬いので、取り除くため。
愛媛県のじゃこ天製造業者はほとんどの場合このもぐの作業を行っている。冷凍すり身を使う大手製造会社にはない手間をかけている。